読み方の難しい法令用語
相均しき(あいひとしき)
お互いに同じく。
悪意(あくい)
ある事柄を知っていること。→善意(ぜんい)
能はざる(あたわざる)
できない。
予め(あらかじめ)
事前に。
非ず(あらず)
○○でない。
謂ふ(いう)
○○と呼ぶ。○○と名付ける。
雖も(いえども)
○○であったとしても。
威嚇(いかく)
力を示すことによっておどすこと。
遺言(いごん・ゆいごん)
一定の方式によって、その人の、死後の法律関係を定めるためになす意思表示。自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言などの方式がある。
意思表示(いしひょうじ)
一定の法律効果の発生を目的とした内心を外部に示すこと。
囲障(いしょう)
家のかこい。
遺贈(いぞう)
遺言を使って財産の一部あるいは全部についてを他の者に与えること、有償、無償がある。
孰れ(いずれ)
どれか。
囲繞地(いにょうち)
ある土地に囲まれて直接道路に出られない場合、囲まれている土地を「袋地」、囲んでいる土地を「囲繞地」と呼ぶ。→袋地(ふくろじ)。
違法(いほう)
法令を学習する際に少なくとも知っておきたい用語(8)参照。
未だ(いまだ)
まだ(○○ない)。
得(う)
○○できる。
穿つ(うがつ)
掘る、穴をあける。
得ず(えず)
○○できない。
援用(えんよう)
自分の利益のために一定のことを主張すること。
於いて(おいて)
(場所や時間に関して)○○の時に、○○のところで。
押収(おうしゅう)
刑事上の強制処分で、証拠となる物などの占有を奪うこと。
侵す(おかす)
法令を学習する際に少なくとも知っておきたい用語(9)参照。
虞(おそれ)
良くないことが起こる可能性。
及(び)(および)
法令を学習する際に少なくとも知っておきたい用語(2)参照。
个(か)
1ヶ月、2ヶ月の「ヶ」。
崖岸(がいがん)
がけ。
拘らず(かかわらず)
○○であったとしても、○○とは関係なしに。
河渠(かきょ)
川、水路。
瑕疵(かし)
きず、欠陥。
果実(かじつ)
物から生じてくる経済的利益である。そのうち、物の用法にしたがうことで取得できる物(例、リンゴの実)を天然果実、物の使用対価として生ずる金銭その他の物(例、家賃)を法定果実という。
且つ(かつ)
○○と同時に○○。○○さらに○○。
仮処分(かりしょぶん)
権利が侵害されるおそれがある場合に、それを取り除くこと。
官吏(かんり)
(憲法上は)公法上の任命行為により国家の公務に従事する者、この場合は国家公務員とほぼ同じ意味。→吏員(りいん)
科料(かりょう)
死刑、懲役等の刑罰のうち、罰金と同様の財産刑の一種である。罰金より軽く1,000円以上1万円未満。区別のため「とがりょう」と読む場合もある。→過料(かりょう)
過料(かりょう)
国や地方公共団体による制裁であるが、刑罰とは異なるものとして定められている。区別のため「あやまちりょう」と読む場合もある。→科料(かりょう)
管轄(かんかつ)
国や地方公共団体の各機関が権限を及ぼすことのできる範囲で、場所、扱える事物によって範囲が決定される。
棄却(ききゃく)
訴えや申立(司法上、行政上)を排斥すること。手続等について適法に訴えられているが、訴えの内容に理由がない場合になされる。→却下(きゃっか)
希求(ききゅう)
願って求めること。
羈束(きそく)
あることに従わなければならず、自由な判断が許されないこと。
毀損(きそん)
こわしたり、きずつけたりすること(全くなくなってしまうまでには至らない)。→滅失(めっしつ)
寄附行為(きふこうい)
財団法人や学校法人の基本的な規範で、社団法人の定款に相当する。またその規範を記載した書面をさす。財団法人や学校法人を作る法律行為のこと。→定款(ていかん)
却下(きゃっか)
訴えや申立(司法上、行政上)を排斥すること。手続等について適法でないため、訴えの内容に理由がないかどうかにふれない。→棄却(ききゃく)
彊界(きょうかい)
隣とのさかいめ。境界と同じ。
享受する(きょうじゅする)
身に受けおさめること。
強迫(きょうはく)
相手方に自分の思ったとおりの意思表示をさせるためにおそれさせること。
許可(きょか)
一般的に禁止された事項について、禁止を解き、それを受けた者が行えるようにすること。
苦役(くえき)
精神的、肉体的に苦痛を伴う労役。
競売(けいばい・きょうばい)
買い受けを希望する多数の者のうち、最高価格を付けた者に対して売ること。
懈怠(けたい・かいたい)
なまけおこたること。
権能(けんのう)
法律上認められた能力。
欠缺(けんけつ)
(法の規定、意思など)が欠けていること。
権限(けんげん)
法令を学習する際に少なくとも知っておきたい用語(12)参照。
権原(けんげん)
法令を学習する際に少なくとも知っておきたい用語(12)参照。
減殺(げんさい)
減らしたり、少なくしたりすること。
故意(こい)
そうしようとして。わざと。
溝渠(こうきょ)
水を通す溝。下水。堀。
公示(こうじ)
一定のことがらを広く知らせるため、公衆が認識できるような状態にすること。
公証(こうしょう)
特定の法律関係を公に証明すること。
公聴会(こうちょうかい)
国や地方自治体が一定の決定をする場合に、学識経験者や利害関係者の意見を聞く制度。
交付(こうふ)
できあがった法令を、一般に知らせるために公示すること。
抗弁(こうべん)
相手方の請求に対し、その請求を排除するための一定の主張。
茲に(ここに)
このたび。ここに。
如し(ごとし)
○○のとおりである。
毎に(ごとに)
そのたび。そのつど。
此(の)(この)
この(此の限りに在らず=そのようにはしない)。
之(これ)
これ。
祭祀(さいし)
先祖や神等を祭ること。
裁決(さいけつ)
法律上の争訟に対し、行政庁が裁断を与える行為。
催告(さいこく)
相手方に対し一定のことをする事を促すこと。催促。
歳費(さいひ)
国会議員の1年間の給与。
遡る(さかのぼる)
もどる、根本に立ち返る。
詐欺(さぎ)
だますこと(によって意思表示をさせる)。
先つ(さきだつ)
優先する。
作為(さくい)
ある行為を行うこと。
差止め(さしとめ)
将来に向かって一定の行為を禁ずる処分で特定の事件に対するもの。
惨禍(さんか)
むごいわざわい。
時宜(じぎ)
よい頃合い。適当な時。
爾後(じご)
そのあと。以後。
施行(しこう)
法令の効力を、一般的に発動させること。
厠坑(しこう)
トイレの穴。
随ふ(したがう)
従う。守る。
実方(じつかた)
養子の実家側の親戚。
出捐(しゅつえん)
支出すること。
事由(じゆう)
原因。理由をなす事柄。
竣成(しゅんせい)
建物等が完成すること。
遵守(じゅんしゅ)
法令等に従うこと。
準用(じゅんよう)
法令を学習する際に少なくとも知っておきたい用語(5)参照。
賜与(しよ)
高い身分の者が下の身分の者に何かを与えること。
承継人(しょうけいにん)
権利義務を引き継ぎ、法律上引き継がれる前の者(被承継人)と同じ地位に立つ者。被承継人の特定の地位を引き継ぐ場合(例、売買によって所有権を引き継いだ買主)の特定承継人、被承継人の全部の地位を引き継ぐ場合(例、相続人、合併した会社)の一般(包括)承継人がある。
成就(じょうじゅ)
なしとげること。一定のことがらが生じること。
召集(しょうしゅう)
天皇が国会議員に対し、定めた期日に各議院に集まることを命じること。
招集(しょうしゅう)
機関において会議をする場合にその構成員に集まることを求めること。
所掌(しょしょう)
公の機関が執り行う関係。公の機関がつかさどる事務を所掌事務という。
詔勅(しょうちょく)
詔書と勅書、天皇がその意思を表示するための文書。なお、詔書は一般に向け公示され、勅書は特定の人に対するものである。
譲渡(じょうと)
権利、財産を他人に移転させること、ゆずりわたすこと。
牆壁(しょうへき)
垣根や壁。
処分(しょぶん)
行政主体が法令に基づき、国民に対し、公権力の行使としてなす行為。許可、認可等。
斟酌(しんしゃく)
周囲の事情や相手の心情などを十分くみいれ、考慮したうえで判断すること。
審尋(しんじん)
問題解決のために一定の人を問いただすこと。
滲漏(しんろう)
しみ出すこと。
推定(すいてい)
法令を学習する際に少なくとも知っておきたい用語(4)参照。
水樋(すいとう)
水を流すための管。あまどい。
総て(すべて)
全部。
速やかに(すみやかに)
法令を学習する際に少なくとも知っておきたい用語(7)参照。
請願(せいがん)
法令の制定・改正・廃止や損害の救済などについて国や地方公共団体に対して希望を示すこと。
請求(せいきゅう)
相手方に対して一定の行為をする(しない)ことを要求すること。
正本(せいほん)
一定に事項等を記載するために作成される文書であり、原本と同様の効力を有するものとして使われる。謄本の一種である。→謄本(とうほん)。
政令(せいれい)
内閣によって定められる命令。→命令。
堰(せき)
水をせきとめたりするために川や溝や池の中に作るしきり。
責(め)(せめ)
自分のしたことについて制裁等一定の不利益を負わされること。
善意(ぜんい)
ある事柄を知らないこと。→悪意
剪除(せんじょ)
切って取り除くこと。
争訟(そうしょう)
当事者間の具体的争いで、権利義務関係の存否や、法律関係の形成に関するもの。
送達(そうたつ)
訴状など訴訟に必要な書類を、当事者などの関係人に交付したり、あるいは受け取れるような機会を与えること。
捜索(そうさく)
物や人を捜すために、人の身体、住居その他一定の場所に対して強制的になされる処分。
総理(そうり)
総合的に物事を処理すること。
相隣者(そうりんしゃ)
となりあっている不動産を所有する者。
遡及(そきゅう)
法律効果が要件事実の発生以前にもどって発生すること。
阻塞(そそく)
ふさいで止めること。
訴追(そつい)
国会議員など特定の地位に在る者を裁判によって罷免させることができる場合、その裁判を請求すること。
疎通(そつう)
妨げられずよく通ること。
其(の)(その)
その。
疎明(そめい)
証拠等を示し裁判官に一応確からしいといった程度の事実判断をさせること。なお、
証明は、確信を持つ程度に挙証することである。
尊属(そんぞく)
親等を見る場合に基準となる人よりも先の世代の者。
対抗(たいこう)
当事者間の権利関係を第三者に主張すること。
第三債務者(だいさんさいむしゃ)
債権債務関係にある当事者の債務者に対してさらに債務を負っている者。
第三者(だいさんしゃ)
当事者(直接法律関係にある者)以外の者。
第三取得者(だいさんしゅとくしゃ)
担保権の設定されている物(いわゆる、担保に入っている物)の所有権や用益物権を取得した者。
対審(たいしん)
当事者を対立させ(原告、被告)、裁判官に客観的な判断をあおぐという審理の方法。法廷での審理の一部始終をさすこともある。
但(し)(ただし)
ただし(原則に対する例外を示すときに用いる)。
直ちに(ただちに)
法令を学習する際に少なくとも知っておきたい用語(7)参照。
為(め)(ため)
○○のため(目的や理由を示すときに用いる)。
弾劾(だんがい)
裁判官等の身分保障された官職にある者について、その非行や義務違反を理由に訴追することで罷免・処罰する手続き。
地窖(ちこう)
地下に作ったあなぐら。
遅滞なく(ちたいなく)
法令を学習する際に少なくとも知っておきたい用語(7)参照。
着手(著手)(ちゃくしゅ)
とりかかること、手をつけること。
嫡出(ちゃくしゅつ)
法律上の婚姻関係にある男女の間に生まれること。
注瀉(ちゅうしゃ)
高い場所から水を注ぎ流すこと。
中断(ちゅうだん)
一定の事由の発生により、それまでの効力が失われること。
懲戒(ちょうかい)
公務員に対する秩序維持のための制裁。
調製(ちょうせい)
作る。
聴聞(ちょうもん)
行政処分を適正、合理的に行うため、意見を聞くこと。
陳情(ちんじょう)
特定の事情について適切な措置をとってもらえるように、公の機関に対して事情を述べること。
付て(ついて)
○○に関して。
追認(ついにん)
取消原因を有する法律行為について、以後取り消さず、確定的に有効とする意思表示。
定款(ていかん)
会社等の社団法人の根本規則(目的、組織について定める)、根本規則を記載した書面。
抵触(ていしょく)
矛盾する、法に適合しない、法規範が一致しない。
定着物(ていちゃくぶつ)
継続的にある物に付着し、簡単には動かせないもの。土地に対する建物。
滌除(てきじょ)
抵当権を消滅させる手段の1つで、抵当権の設定された不動産について所有権、地上権、永小作権を取得した者が、自分で評価したその不動産の額を抵当権者に支払うことによる。
転得者(てんとくしゃ)
権利を譲り受けた者からさらに権利を譲り受けた者。
天然果実(てんねんかじつ)
「果実」の項参照。
添付(てんぷ)
他人の所有する物を加工して全く別の物としたり、所有者の異なる複数の物を結合させて分解できなくなったような場合の所有権がだれに属するかを定めるきまり。附合(ふごう)、混和(こんわ)、加工(かこう)がある。
転付命令(てんぷめいれい)
債務者が第三債務者に対して有する債権を差し押さえた債権者の申立によって、執行裁判所がなす命令で、債務者の有する債権を債権者に移転するという内容のもの。
顛末(てんまつ)
最初から最後までのいきさつ。
謄本(とうほん)
原本の存在や内容を証明するための(全部の)写し。
届出(とどけで)
一定の事柄を官公庁に知らせること。
調う(ととのう)
(話などが)まとまる。成立する。
止まる、止む(とどまる、とどむ)
一定の範囲から逸脱しない。
取消、取り消す(とりけし、とりけす)
一応有効である意思表示や法律行為について、特別な理由(制限能力者による、詐欺・強迫による)がある場合に、一定の者によってはじめから効力のなかったものとすること。
(訴えの)取下げ(とりさげ)
原告が訴えの全部・一部を撤回すること。
乃至(ないし)
法令を学習する際に少なくとも知っておきたい用語(3)参照。
為す、為る(なす、なる)
○○する。○○を行う。
尚お(なお)
依然として。それでも。やはり。
並(びに)(ならびに)
法令を学習する際に少なくとも知っておきたい用語(2)参照。
何人(なんびと)
すべての人。どんな人でも。だれでも。
排泄(はいせつ)
いらない物を外に出すこと。
破潰(はかい)
破壊。こわすこと。
頒布(はんぷ)
不特定多数に文書や資料を配ることで広く行き渡らせること。
批准(書)(ひじゅん)
全権委任された者が署名した条約を最終的に確認し、それに同意を与えること。
私に(ひそかに)
知られないように。こっそりと。
均しく(ひとしく)
おなじく。
罷免(ひめん)
本人の意思に反してやめさせること。
表見代理(ひょうけんだいり)
本来代理人に必要な代理権がないが、一定の場合に相手方保護のため、代理権があるものとして本人に表見代理人のした行為の効力が及ぶという制度。
復氏(ふくし・ふくうじ)
婚姻や養子縁組によって氏を改めた者が離婚、離縁によって元の氏に戻すこと。
復代理(ふくだいり)
代理人によって選任され、本人の代理をすること。
副本(ふくほん)
正本の予備のため、同一の内容を記載した文書。→正本
袋地(ふくろじ)
囲繞地(いにょうち)の項参照。
不作為(ふさくい)
ある行為を行わないこと。
不正(ふせい)
法令を学習する際に少なくとも知っておきたい用語(8)参照。
不当(ふとう)
法令を学習する際に少なくとも知っておきたい用語(8)参照。
不適法(ふてきほう)
法令を学習する際に少なくとも知っておきたい用語(8)参照。
不法(ふほう)
法令を学習する際に少なくとも知っておきたい用語(8)参照。
弁明(べんめい)
相手方の理解を得るために、自分の立場等を説明すること。
妨害(ぼうがい)
さまたげること。じゃますること。
放棄(ほうき)
権利行使等をしないで、すててしまうこと。
抛棄(ほうき)
放棄。
法定果実(ほうていかじつ)
「果実」の項参照。
法律行為(ほうりつこうい)
契約等、意思表示を要素とし一定の法律効果を得るために行われる行為。
法例(ほうれい)
法律の題名(明治21年法律10号)。法の適用関係に関する諸原則。
法令(ほうれい)
国会によって制定される法律、行政機関によって定められる命令を合わせての呼び方。なお、条例や裁判所規則が含まれる場合もある。
補償(ほしょう)
支出した費用、業務上の疾病や天災についての損害を埋め合わせること。
保障(ほしょう)
一定の状態を守ること。
補則(ほそく)
法令を学習する際に少なくとも知っておきたい用語(13)参照。
先ず(まず)
最初に。
亦(また)
○○もまた(同じ)。
又は(または)
法令を学習する際に少なくとも知っておきたい用語(1)参照。
見做す(みなす)
法令を学習する際に少なくとも知っておきたい用語(1)参照。
無効(むこう)
法律行為について、当事者の意思表示に沿った形の効果を生じないこと。
命令(めいれい)
行政機関によって制定される法で、内閣が制定する「政令」、各大臣が発する「省令」や「総理府令」、各委員会や庁の長が発する「規則」、その他「会計検査院規則」、「人事院規則」がある。
滅失(めっしつ)
壊れて無くなってしまうこと。
黙示の(もくじの)
一定の行動があるときに、明白な意思表示がなくても(契約の更新等が認められる)。
若しくは(もしくは)
法令を学習する際に少なくとも知っておきたい用語(1)参照。
持分(もちぶん)
共有関係にある者が物に対して有する割合的な権利。
以て(もって)
○○という理由で。○○ということによって。
下(もと)
○○の前。
已むことを得ざる(やむことをえざる)
しかたない。
養方(ようかた)
養子の養親側の親戚。→実方
要件(ようけん)
法律上の一定の効果を導き出す原因。
依り(より)
○○により(手段)
因り(より)
○○により(原因)
濫用(らんよう)
形式的には権限や権利の行使をしているが、実質的にはその正当な行使とはいえないこと。
吏員(りいん)
地方公務員全体(地方公共団体の長、議会の議員を含む)。一般職の地方公務員で長の補助機関である者。
履行(りこう)
債権の内容を実現する債務者等の行為。
留置(りゅうち)
物を一定の支配下に置くこと。