代理権がないにもかかわらず、代理人と称して法律行為をした場合
代理権がないにもかかわらず、代理人と称して法律行為をした場合をいう。
つまり、本人には何の効力も生じない。
本人の知らない間に代理人として勝手に行った約束事は、本人には及ばないことを原則とする。
しかし、無権代理人の行った法律行為であっても、本人にしてみれば利益になることも考えられる。その場合、勝手に行った法律行為を本人が「追認」すれば、初めから代理権を与えられていた代理人が代理行為をしたのと同様の「効果」が生じるものとした。
例えば、所有者Aの土地を無権代理人Bが勝手に売買した様な場合で、Aの土地は1000万円しかないのを5000万円で売る売買契約をした場合、Aにしてみれば経済的な利益が出ることで、AはBの行為を追認し有効とすることができる。
無権代理の相手方保護としては、相手方は本人に対し、相当と思われる期間を定めて「追認」するか否かを催告する催告権や、取消権(善意の人のみ)を与えた。
催告権を行使して、本人に確答求めることができる。確答がないときは、追認拒絶とみなされる。(※制限行為能力者の場合の催告の効果との違いに注意を要する)