法令を学習する際に少なくとも知っておきたい用語(重要度A)
どちらも、複数のものを選択的につなぐ場合に使用されるが、まず「又は」が使われる(「A又はB」)。3つ以上のものを同レベルでつなぐ場合には、「A、B、C又はD」と「、」でつなぎ、最後に「又は」を用いる。
これにさらに違うレベルのものを結び付ける場合は、「若しくは」を用いる。「A若しくはB又はX」は(A,B)と(X)が「又は」で結び付けられている。
「又は」の方が大きく、「若しくは」の方が小さなくくりである。3つ以上の違うレベルのものをつなぐ場合には、最も大きなレベルだけを「又は」でつなぎ、あとはすべて「若しくは」でつなぐ。
どちらも、複数のものを併合的につなぐ場合に使用され、まず「及び」が使われる(「A及びB」)。3つ以上のものを同レベルでつなぐ場合には「A,B,C及びD」と「、」でつなぎ、最後に「及び」を用いる。
これにさらに違うレベルのものを結び付ける場合は、「並びに」を用いる。「A及びB並びにX」は(A,B)が「及び」で、さらにそれと(X)が「並びに」で結び付けられている。
「及び」の方が小さく、「並びに」の方が大きなくくりである。3つ以上の違うレベルのものをつなぐ場合には、最も小さなレベルだけを「及び」でつなぎ、あとは「並びに」でつなぐ。
〇〇から○○まで。3つ以上の連続するものを並べる場合に用い、始めと終わりを示すことでその間は省略できる。ABCDEFと連続する場合[A乃至F]ですべてを表せる。
どちらも、本来性質を異にする事項(A)を、一定の事項(B)と同一視して扱うことを意味する。「みなす」は反証(違うことが明らかとなればそれに従う)を許さないのに対し、「推定する」は、一応AをBと扱うが反証を許すという点において異なる。
Aという事項に対して規定がある場合、類似したA´にはAに対する規定を、A´に合った形に変形して適用させること。なお、法令全体を類似の事項に対して使用する場合、「○○法の例による」といったことばが使われる場合がある。
「超える」は、基準となる数量の値を含まないで大きい場合に使い、「以上」は基準となる数量の値を含んで大きい場合に使う。「未満」は、基準となる数量の値を含まないで小さい場合に使い、「以下」は基準となる数量の値を含んで小さい場合に使う。
なお、以前、以後、以内は、基準となる数量の値を含む。また、「AからBまで」、「A乃至(ないし)B」はそれぞれA、Bを含む。
すべて、緊急であることを表すが、程度に差があるとされる。一般的には「直ちに」「速やかに」「遅滞なく」の順で緩やかになるとされる。
「違法」は法に違反すること。「不当」は必ずしも法に違反するものではないが、妥当性を欠くことをいう。「不正」は、正しくないことで、法令違反に限らず、職務に関する義務違反などの場合に使われる場合がある。「不法」は、法に反すること(実質的に反しているという意味合いが強い)。「不適法」は、形式的に法に違反すること。
「犯す」は「罪を犯す」、「侵す」は「権利・自由を侵す」と使う。「科す」は「刑罰を科す」、「課す」は「義務を課す」と使う。
「時」はある時点、時刻について使われる。「とき」は仮定するときに使われ、意味としては「場合」と同様である。3つ以上の場合分けをすると、まず「場合」で大きく分け、さらに「とき」で細かく分けていく。
「規程」は現在の法令では「規則」と言い換えて使われており、一定の目的のための一連の条項の総体をいう。「規定」は法令中の個々の条項の定めをいう。
「権原」はある行為を正当であるとする法律上の原因のことである。「権限」は国家等が法令の規定に基づいてその職務を行うことができる範囲のこと等をいう。
「本則」は法令中の本体となる部分(ただし、法令中には現れてこない語句である)。「附則」は本則に付随する必要事項であり、施工期日や経過措置が定められる。「雑則」・「補則」は法令中、1つの節・章といったまとまりでくくれない規定を集め、節や章とした部分。