借地借家契約の更新の時に、賃貸人と賃借人との適正な契約を目的として賃貸人から請求される費用の一つ
更新事務手数料(こうしんじむてすうりょう)
更新事務手数料とは、借地借家契約の更新の時に、賃貸人と賃借人との適正な契約を目的として賃貸人から請求される費用の一つである。
しかしながら、普通賃貸借(他に定期借家権がある)の場合は、法律上更新手続をしなくとも当然に賃貸借関係が継続されるため、かかる費用を支払う義務が無い。
また、これらの事務を不動産業者等に依頼した場合でも、賃借人は支払う義務は無いこととなっている。例外的に、事務手数料の支払いについて合意があれば実費(役務・送料等)相当の支払い義務が発生すると言うべきである。
(民法上私的自治の原則に基づく契約自由の原則)
賃貸借契約締結の際に明示され、賃借人も自由意思で賃貸物件を750万戸のストックの中から選択できる時代となっている現実視が大切であろう。
なぜならば、理由として前述に記載した様に、一つ目は法定更新のままだと賃貸人と賃借人との契約は、「期間の定めの無い賃貸契約」と見なされること、二つ目は賃借人の連帯保証契約は書面でなければその効力が生じないこと。
万一の場合、一般的には賃借人は賃貸人との間で資力を有する保証人をたてる義務を有するところ、連帯保証人に資力が無くなっていたり、あるいは死亡していたりすることで、賃借人と賃貸人との間で紛争に発展してしまうと、これらの解決のための訴訟等のリスクが生じることとなる。
即ち、契約で合意していたとしても、更新事務手数料が双方にとって利益となる場合の実費相当(10,000円前後)を不動産会社に対し、双方で負担することで、安心安全な賃貸借契約が担保されるものと思料する。
なお、具体的・個別での適正か否かの判断とすべきものであって、一面的な部分のみをもって否定するよりも、賃貸契約が継続的な視点に立っての合理的な負担が求められるものであろう。
高額過ぎるなどの特段の事情が無い限り、有効という判断が示された。