<カオス時代、若者へ同じ道を歩める人を励まして行きたい 《仙台の地の高潔なる偉人》>
Ⅰ【 カオス時代、若者へ同じ道を歩める人を励まして行きたい 《仙台の地の高潔なる偉人》 】
1.私が仙台の某法律事務所の事務員として勤務した昭和48年頃の事で大変恐縮ですが、今でも印象に残っている記憶について記載しました。
弁護士からの指示で、業務に関する書類等を弁護士 菊地養之輔※1先生(この頃は高齢のためか、弁護士活動はほとんどしていなくて、息子の弁護士 菊地一民先生が主として法律事務所を取り仕切っておられた。)へ届けたことが数回あった。
2.その頃は、菊地先生がこれまで日本の将来のありようなどの改革の基礎となる庶民、とりわけ、主として農民や働く者達の立場で政治活動を永年に亘って行っていたことも、弁護士として司法の場で刈分小作※2等の地主と農民との小作料の紛争や改革に奔走された偉大な方とも知らなかった。
3.私が書類等を入れる鞄等を持ってなく、風呂敷に包んで持参するのですが、雨の日にはビニールで覆って行くと、先生が奥から出て来て「雨の中ごくろうさん」と労をねぎらう言葉を掛けていただいたことがとても嬉しかった。今でも鮮明に想い出される。
4.当時、若僧の一事務員に対し丁寧に接していただくことはほとんどなく、女性事務員が出て来て単に受け取るのが一般的でしたので、菊地先生の様に仕事の手を休めての対応は無かった。
5.その後、先生が依頼者である農民への裁判費用を立替え払いが多くなって、事務員への給与支払いや借金返済も滞ったため、裁判所から先生自身の家財道具等が差し押さえられたことがあったことも、聞き及ぶこととなった。
6.その背景には、年の暮れになると依頼者である農民の方が、突然先生の事務所に訪れ、「米や野菜」を置いて、先生これで勘弁(弁護の報酬や裁判所への印紙代等の費用を)して下さいと言って来ると話されていたこともあったから、前記のことは本当なんだな~と思った。
当時は、裁判所へ提出する訴訟等の「委任状にも収入印紙」を貼付しなければならない時代だったので、依頼が多いとその分の費用も増加することとなってしまう。
7.菊地養之輔先生の足跡は、弁護士(政治家)としての弁護士倫理の基本である「弁護士は、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とする。」を実践されたことは勿論、いや類を見ない高潔でかつ崇高なる人生の進む道の鏡である。
数回ではありますが、先生の肉声に接することが出来たことは、おこがましいが私の人生の師(父)の様な存在であり、このうえない喜びでもあります。
石碑の位置
(仙台市西公園=桜ケ丘公園)
撮影年月日 2023年(令和5年)5月11日
新しき
世界のために靴の紐
結ぶしもべと
我をならしめ
菊地養之輔
…今なお弱き者の友であり
貧しき者の友であり見方である…
1969年(S44年)生誕記念日
菊地養之輔歌碑建設委員会建立
追記、先生は、歌人 石川啄木に傾倒し、上記の様に自らの歌も残されている。
(参考文献 米倉辰治郎著「菊地養之輔とその時代」他)
※1 菊地養之輔 先生
1889年(明治22年)9月5日 岩沼市玉浦生まれ
中央大学卒、政治家、弁護士
親戚に世界医師会会長を歴任した武見太郎の従妹が妻
1983年(昭和58年)1月5日 93歳で死亡
息子も仙台弁護士会会長 (故)弁護士 菊地一民氏
※2 刈分小作(かりわけこさく)とは、中世から第二次世界大戦後の農地改革まで行われていた小作制度の一つで、小作料を定めず収穫量に応じて地主と小作人との間で一定の割合にて分配した。日本全国で見られ、中世期には作半とも呼ばれた。また地域によっては、作分(つくりわけ)・束分(つかわけ)・分作(わけさく)・半作(はんさく)・毛分小作(けわけこさく)など様々な別称があった。
いわゆる、農民(農業従事者)に地主が土地を貸し出して耕作させ、天然果実(成果物)である「米」や「麦」などの一部を小作料(こさくりょう)という名目で地代として支払ってもらう制度。地主に小作料を支払って田畑を借りて営農すること。もちろん、どの様な賃貸業でも所有者が賃貸料収入をビジネスとする形は本質的には現代との共通点がありますが、大きな違いは、当時、農村内は地主と小作人との関係は多くの場合、「地主に小作人が依存せざるを得ない」程の貧富の差は大きかった。従って、地域の地主によっては小作料が高額なことが多く、様々な課題が生じていた。
東北地方での著名な東北三大地主として、宮城県石巻市・齋藤家(善右衛門)、秋田県大仙市・池田家(文一郎)、山形県酒田市・本間家(光丘、宗久ら)である。
Ⅱ【 インターネット上に匿名中傷やつきまとい、ストーカー問題 】
1.店員の名札 実名を表示して来ましたが、様々な交流サイト(SNS)等で ①悪口を書き込まれたり、 ②つきまとわれたりする被害が発生して来て止まない。
2.弊社(不動産業)の様な「宅地建物取引士」には、賃貸や売買契約の際に重要事項説明を取引士証をその相手方に見せるなどをしなければならないことになっている。その取引士証には取引士の名前の他、「個人の住所」や「生年月日」が表示されている。そのことで、昨年(2022年)に②が発生したことを奇貨として、国土交通省は住所部分をシール等で隠して説明しても良いことに変更された。
3.同様な被害が後を絶たないため、各種の対面業務者である「薬剤師」、「看護師」、スーパーの従業員、タクシーやバスの運転手のあらゆる職業業務従事者らにフルネームを表示しないとする対策を取っている様だ。
4.諸外国ではこの様な対策を既にとっていて、番号や氏、頭文字、呼称、ニックネーム、花が好きな人はその花の名称や趣味としている趣味の名称等で社員の個人情報を保護すべきである。この様に、既に「お客様は神様」とする認識は無くなり、「正しいルールを守れるお客様」又は「法的に正しい権利を有する消費者がお客様」が神様と解するべきでしょう。
5.企業にとっても、お客様の理不尽な迷惑行為から社員を守らなければならない責任があります。遅ればせながら、インターネット上に匿名で投稿された中傷の発信元の電話番号を開示対象とする総務省令が2020年から施行されてはいますが、根本的なる法改正(創設)等の立法化をし、接客する職業人をストーカー、つきまとい等の被害、延いては命を守るべき使命が重要となって来ている。