<法定相続人がいない空き家の場合>
Ⅰ【 法定相続人がいない空き家の場合 】
今年4月中旬に某弁護士様より、裁判所から相続財産管理人に選任されたとのことで某事務所に出向いた。
相続人の不存在の申立の
第一.法的根拠は、民法952条第1項、第2項(相続財産の管理人の選
任)に基づき、家庭裁判所が「利害関係人」又は検察官の請求によっ
て相続財産の管理人を選任しなければならない。と定められているた
め、上記の弁護士さんが選任された。
申立人は「利害関係人」として珍しく仙台市であったことに驚きまし
た。
申立人は、私が法律事務所に在職していた32年前の平成2年(19
90年)頃は、被相続人(亡くなった人)の債権者、特定遺贈の受遺
者、※1特別縁故者でした。
※1特別縁故者とは、相続人ではないものの、被相続人と特別な縁故がある人のこと。
第二.新法(第一.に関連)〈法的根拠 民法の特例〉
所有者不明土地が東日本大震災の復旧・復興事業などの妨げとなって
いたことを契機に平成30年に創立されていた「所有者不明土地の利
用の円滑化等に関する特別措置法」の「一部を改正する法律案」を令
和4年2月4日閣議決定が制定され、その利用の更なる促進を求める
声に対応するため、所有者不明土地を地域に役立てる制度や収用手続
の迅速化のための制度が一部改正創立されました。
(令和4年2月4日 国土交通省)
即ち、所有者不明土地の利用の円滑化のための特別の措置法第38条に基づき、国の行政機関の長又は地方公共団体の長は、所有者不明土地につき、その適切な管理のため特に必要があると認められるときは、家庭裁判所に対し、民法952条第1項の規定による相続財産の管理人の選任の請求することができる。
これに基づき、今般、仙台市が相続財産管理人選任の申立を出されました。
又、その申立てに添付されていたのは、空家住宅に植えてある梅の木の枝等が隣接する私道含む隣接地まで越境していてこのまま放棄されています。
とも記されてありました。
Ⅱ【 土地・建物のみで現金が無い場合もあるケース 】
相続財産管理人の申立て及び必要な費用について
①収入印紙800円及び連絡用の郵便切手代、官報広告料4,230円
②そして、相続財産管理人に対する報酬金を含む管理費用を申立人に相当額
を※2予納していただくこともあります。
※2課題 財産として土地、建物のみで預金等が皆無で、借金のみ残されている場合があり、 今回が該当する案件です。
つまり土地、建物が換価された時に初めて管理費用や管財人の報酬金が生まれるケースもあり、様々ですが今回は上記のとおり現金の予納がほぼ無しの案件でした。
1.本件について、相続財産管理人弁護士から相談を受けたのは、隣地への越境している木の枝を伐採することが急務であるが、前述のとおり、かかる費用を直ぐに支払うことが出来ない。立て替え払いをしてもらえる業者へ依頼しなければならない事情があった。
実際にはこの様な条件で仕事を請負う人等は不在の様です。
従って弊社に於いてヘルメット、タオル、作業服にノコギリ、ナタ等を準備して作業を行いました。
伐採前 伐採後
足場が無くうっそうと茂っている庭に入り、木に登ってベルトで体を保護するなどしてから2m~5mの範囲内の枝を切り落とした他のところの作業もあり、2日程かかって伐採を行いました。その結果、地域住民の生活道路の安全確保となりました。
Ⅲ【 宅地建物取引業の免許 8回目更新 】
宅建の免許は5年毎に更新の手続きをしなければなりません。4月19日に宮城県知事からの免許更新を得ることが出来ました。(宅建免許の更新は一般的な運転免許証の更新と大きく異なっていて、新規での免許申請とほぼ同じ書類の提出をしなければならない法律の仕組みとなっています。)
宅建免許更新後の取組みについて不動産業界を取り巻く環境は、コロナ禍の影響を直接受けている①飲食店テナントさんとオーナーさん及び行政庁との対応や、②高齢者、③生活保護者、④母(父)子家庭等あるいは⑤孤独死(自死含む)等により、自死遺族、警察、オーナー様への報告等極めてむずかしい事態に取り組んで来ております。
これまでに経験した事が無いコロナ禍の影響に加えて、宮城県内に於いての3月16日の地震や地理的に遠い国でのロシア、ウクライナ情勢に伴って、我々の生活に直結する生活必需品の食料、ガソリン、電力料金さらに円安による畳み掛ける様な急激なる負担増へと変化が起きている。この様な状況の中、生計をたててゆくことがとても大切でありましょう。
弊社に於いては免許更新を機に「衣食住」の住居を生業とする者として、オーナー様の大切な財産を維持・発展のために法律等を遵守し、適切な対応に努めて参りたく思料しております。
つきましては今後とも生業に関係する法律の改正、判例そして条例等について、レポート等を介し出来るだけ情報を提供して参りますので、どうぞ「叱咤 激励」をお願い申し上げます。