<民法改正に伴い本年4月1日から18歳で成年となることでの実務上の課題>
新年おめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願いします。
Ⅰ【 コロナ禍(変異株含む)の中でも心豊な一年となります様に 】
1)昨年中は様々な課題(新型コロナそして自粛)がありました。弊社に於いては、2021年1月2日(土)昼頃より2021年1月15日(金)〆切りとなっていた事業者らへの「持続化給付金」の申請〆切りが年末、年始を跨ぐ形で実施されましたため年末に引き続き新年早々対応しました。(昨年も同様な文章を記しました。)
その申請者の多くは飲食店で個人事業者でした。具体的には、①申請用紙の入手及び②書き方、③賃貸借契約書の存在並びに④家賃の滞納が無い事の証明書を賃貸人又は不動産管理会社から入手して、申請書に添付して窓口に提出する仕組みです。
実際に対応した事業者は「高齢者」、「外国人」の方で高齢者は「記載漏れ」等で2回、3回と足を運ぶ事業者も3人いました。特に外国人の方は日本語で申請書に記入しなければならない等様々な対応となりました。当然ながら会社は休日のため裏口から出入をしていただいた。
2)そして申請が受理されると「受理されました」と携帯に電話が入りました。さらにその後約1ヶ月半位に入金されると家賃滞納相当の入金があったり、又は一部入金の方もおりました。その後国の方で上記〆切り日が1月末日まで延長になった。本当にコロナ禍の中大変でしたが「申請書が受理されました」との弾んだ声に生業の達成感を覚えて、スタートという年となりました。
今年令和4年という輝かしい年は、通常どおり迎えられましたが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)も収まらぬ中今度は変異株(オミクロン株)急拡大で再びあの時の悪夢の到来が危惧される。
確かに厳しい状況下ではありますがこの様な時だからこそ、「経営の神様」と言われたパナソニックの創業者・松下幸之助の言葉にある様に運気上昇の鍵は、謙虚さを大切にして驕らず、常に朗らかで友情を大切にして取り組むことが大切であると話されたことをふつふつと思い出されます。
年が改まった本日、心の豊かな一年の一歩としたいと思います。
Ⅱ【 本年4月1日から18歳で成年となる 】
1)民法改正に基づき本年4月1日からこれまでの20歳から18歳で成年となります。
2002年4月1日まで生まれた人は、20歳の誕生日に成年に達します。2002年4月2日から2004年4月1日まで生まれた人たちは本年4月1日に一斉に成年に達することになります。2004年4月2日以降に生まれた人たちは、18歳の誕生日に成年に達します。
2)20歳から18歳に引き下げ「成年」と規定する他の法律も18歳に変更されることとなり、これまでの親権に服することなく1人で有効な契約を結ぶことができることとなります。
ただし、喫煙や飲酒などが可能となる年齢は、対象とならず20歳からのままです。
これに関連する女性の婚姻開始年齢の引き下げは・・・
民法第731条
【現行法】男性 18歳 女性 16歳
【改正】男女とも18歳に統一された。
3)改正の背景は世界的な時代の流れが挙げられます。欧米の多くは18歳(イギリス、スコットランドでは16歳)となっています。実際にアメリカ及びフランス、ブラジル等から日本の高校への留学生として16歳で来日され、ホームステイを受け入れると、同じ年齢である日本人の16歳とでは体格や自己主張(夢や将来の目標等)として、自分の考え方をしっかり持っています。
即ち留学生は特別だ!!と言えばそれまでですが、現に私が留学生と話しをすると、「留学は若いから自由に出来る一種の冒険の様なものです。そしてこの冒険を通して、日本の文化や語学を学び、将来は『国連や自国と日本との掛橋、外交官』になるための自身の夢実現に歩み出している。」と返答が来る。更に17歳となると大人の様に大きく変化します。日本人の同じ高校生が子供の様に歴然とした差が出ます。
この様に我々大人としてもその対応に留意しなければならない程全ての物の考え方が成長します。
4)ところで日本では成年年齢は明治9年以来20歳と定められて来ました。(それ以前の江戸時代※までの日本の成人(年)は男子が11歳~16歳になると「元服の儀式」が行われていた。)
5)話を元に戻して、改正後の成年・未成年の定義は、社会の基盤となる極めて重要なルールとなります。実務上の多くは来年からの対応となりますが万一、本年4月1日からの契約者が現れた場合、具体的な取り組みとして、弊社は18歳の学生さんとの賃貸借契約を締結するケースを考えて見ますと、学生さんの多くは原則として学問を学ぶためにアパート等を借りる訳ですので契約締結時点で、契約の当事者として「経済的な収入が無い」ことを、不動産会社や賃貸人(大家さん)も知っていて、賃貸借契約を結ぶことが出来るとする形式的に当事者適格を有する法律の規定に該当します。
6)しかし、上のとおり収入が無いことの補完としてこれまでの「未成年者の法定代理人親権者の同意による法律行為と同様の趣旨」の形を替えて、その親からの賃貸借契約から生じる「経済的な負担の債務を引き受け並びに弁済する」とする内容の書類を作成することとして適切に改正民法と実務上の課題を解決しての業務に取り組んで参ります。
※日本は江戸時代以前からの儀式として男子が「元服」(成人)すると烏帽子子と称し、幼名が改められ実名が定められ、月代(さかやき)を剃って前髪を落した。
現代の成人式の儀式のため女性になる綺麗な振袖の着物を着る様な点は、日本古来の前記の服装の変化をしながらも、成長を祝う通過儀礼の一つとしての文化が脈々と受け継がれている。