<残暑お見舞い申し上げます。>
山家雪雄は4月から目下東北学院大学法学部で非常勤講師として「コース総合演習」という授業を担当しております。
この「コース総合演習」授業の目的は法律と実社会との様々な課題やテーマ等との融合することでもある。
現在は3年生で48名の生徒を対象として行っている。彼らは本校を卒業をすると実社会に於いてはある一定の実務経験を積んで行き、そう遠くない年月後にはそれぞれの企業の幹部への道へ進む立場でもある。また、学び舎での青春時代の一齣は人生100年の礎になるので重責を担っていると言っても過言ではないと思料する。
講義の一部を例にすれば以下のとおりである。
第一、民法770条の裁判上の離婚には5項目の要件が列挙されている。
1.配偶者の不貞な行為があったとき。
2.配偶者から悪意で遺棄されたとき。
3.配偶者の生死不明が3年以上明らかでないとき。
4.配偶者の強度の精神病にかかり回復の見込みがないとき。
5.その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。と記載されている(第2項省略)。
しかし、『大きな社会問題としてクローズアップされている「DV(配偶者や恋人、親子など親しい関係の人から加えられる暴力、家庭内の暴力)」』について「離婚の要件に加えるべきと思うが、未だになく、上記5.その他婚姻を継続し難い…の中で判断がされるということが課題であり、今般の民法改正にもなっていない。
第二、民法第822条親が子に対する懲戒権が法律の規定上で認められている点です。
つまり、痛ましい「児童虐待」について、法律で許されている文言が課題である。体罰禁止を求める動きは千葉県野田市の小学4年生の女の子が死亡し、両親が逮捕されるという事件が発生したことで山下貴司法相は見直しの検討を始めると言っている(2019.6.20)。
なお、多くの先進国では見直しがされたり廃止されたりして来ている。
第三、空家住宅について平成30年10月1日で空き家数は846万戸と、平成25年と比べ26万戸増加となり年々増加して来ている。そこでこれを課題として「私の空家住宅活用法」について、①再利用、②売買、③解体の視点でのレポートを提出してもらった(学生からの提案をいくつか紹介します)。
①格安での「民泊」や「宿泊」活用
②外国人観光客等への民泊
③シェアハウス子供らの勉強部屋
④奨学金で学んでいる生徒へ格安で賃貸する。
⑤空家を解体して駐車場、公園へ利用
⑥リフォーム等をして高く市場で売買する。
⑦静かで落ち着く様にリフォームをし、得意とするお菓子や料理を振る舞ったりSNSで情報を発信できるようにする。
⑧地域の住民(高齢者らの)交流スペースとして活用…などと様々な提案があり、斬新な提案には一考に値する上記のように、広範囲にわたり授業に取り組んで来ている。
最後に授業風景をつたない俳句で表現しますと…
『チョーク持てば黒板消しの青葉風』
『種月や教壇に立つ古希の春』
『チャイム鳴り「沙羅」という名を読み上げる』
『さにつらう乙女の瞳春浅し』
『教室の窓を開ければ若葉風』
の心境で心までが洗われる様です。