<あけましておめでとうございます>
あけましておめでとうございます。 今年も宜しくお願い申し上げます。 平素より、弊社の『レポート』をご愛読いただき誠にありがとうございます。本年も不動産市場を取り巻く環境の変化を中心とし<法律>・<金融>・<経済>等発信し続けたいと思います。
<法律> 民法改正によって賃貸契約の仕組みが大きく変わる。2020年前半までに先に国会で決議された民法改正が施行される。この改正に対応しないと不測のリスクが生じることとなる。
1)「連帯保証人」 保証人の負担と保証金額等を賃貸契約を結ぶ時に「限度額」等を定めなければならない。となった。限度額を定めなかった場合はそもそも保証人はいなかったことに解されてしまう。また、保証人から賃借人が毎月の賃料等の支払い状況の確認や報告を求められることとなり、大家さんらは支払い状況について回答しなければならなくなります。 課題は、通常の賃料の遅延や遅滞位であれば保証人の限度額(極度額)の相当額「100万円」と定めても連帯保証人は保証してもらえる可能性がありますが、万一火災等の場合「500万円や800万円」を限度額とするとなった場合どうなるのか?・・・等の問題が出て来ます。勿論借家人賠償保険等に加入していただいている期間は良いのですが、保険は強制ではないため、加入していない方や一度は加入しても更新手続きを行わず保険期間終了となる方もいます。この方々の責任をどのようにして回避するのかも出てきます。
2)「原状回復義務」 これまでの民法の規定には条文はありませんでしたが、改正法第621条には賃借人の「故意」や「過失」がない場合は負担が生じないとする文言となり、結果大家さん(賃貸人)の修繕費用がこれまで以上増加することとなります。
<賃貸住宅>
1)「賃貸住宅の設備等の変化」 今から20年位前には、ルームエアコンの設置は借主の負担でした。今は、貸主の設置が普通となりました。トイレの便器も和式から洋式にさらに、暖房便座からウォシュレット(洗浄便座)と変化し続けています。特に近時は①安全性が重視されて来て、ドアホンからモニターホン(訪問者記録機能付)1台あたり1.6万~2.3万円が入居者(特に女性)から支持されている。なお、新築予定の場合は防犯カメラの設置をお勧めします。防犯カメラもこれまでの物からリース(5,000円/月/台)からのもあります。ただ、オーナーの悩みはいくら良い設備と言われても現実には「かかる費用」と「費用対効果」との因果関係から当面様子見とならざるを得ない面もありますね。
2)「これからの賃貸住宅の経営」 現在の入居者が持つ不満(駐車場、音、管理会社やオーナーへ等々)を少なくして、退去者をださない工夫が必要です。そのためにはオーナー様と管理会社とがこれまで以上に情報の共有を計るなどして入居者の不満を解消して行くことがポイントでしょう。具体的には、長年住んでいる方のエアコンやトイレ設備等を新しい物へ交換してあげる方法も一考を要します。
3)「入居率の比較は東日本震災前」 正に東日本大震災で多くの賃貸住宅が満室になり、それでも足りないとする時期がありました。しかし、震災復興事業の瓦礫撤去作業も終り、と同時にみなし仮設住宅として国の借上げ制度も昨年3月末日(一部福島原発間は継続中)で終了しました。よって、既震災前の入居率に戻ることとなった訳です。また、この間に震災による賃貸住宅の増加、さらには相続対策としての同住宅の増加があります。一方高齢化少子化時代に突入して来ている関係で、これまでにも増して管理会社とオーナー様とで情報を共有し、入居者から支持される商品の提供がますます重要視されることとなります。この様な変化や社会の動きを的確に捉えるとともに事業をやっていて楽しいと思える様に邁進して行かなければならない。