<仙台圏の賃貸市場>
仙台圏の賃貸市場は三極化が顕著となって来ている。今年最も賃料の高い地域の物件は比較的築浅(10年以内)物件。仙台市中心部の立町エリア築浅マンション3LDKの賃料は13万円~17万円、若林区連坊エリア新築マンション1LDKの賃料は9万円~9.5万円となっており、入居者は大学の先生等で構成されいる様です。それ以外の既存住宅で継続的な賃貸物件の賃料は概ね横ばいで推移した様です。地下鉄東西線の恩恵が大きく影響したと言えるでしょう。ただし、東日本大震災時のみなし仮設借上げ住宅の賃料上昇便乗物件は軒並み8千円~1万円賃料が下落しており、空室率も増加してきている様です。前述の物件は震災前も入居率があまり良くなく、元々賃料も下った額に近い金額で募集して来ていたので、震災前の状況に戻ったとみるべきでしょう。
さらに今後は、大和町、富谷、大衡村のトヨタ自動車関連地域内の賃貸住宅(アパート)につき、特にセントラル自動車への賃貸は、同社の社員へは持家住宅所有を推し進める方針が示された。これは、トヨタ系列のトヨタホーム会社がミサワホームを吸収合併したことにより、セントラル自動車社員に働き掛けて行く様だ。従って、この地域内での賃貸住宅としてのアパートの空室が多く出る可能性が高く今から危惧している。
仙台圏としての「名取市美田園」の賃貸住宅の一例ですが、美田園エリアの賃貸住宅はメゾネットタイプ(2LDK)駐車場2台付で賃料66,000円で募集を行っておりますが、空室時期がほとんどなく、物件が空くのを待っている人も出ており、成功事例の一つであります。
賃貸住宅の金太郎飴的な物件は既に終了したと見るべきでしょう、なぜなら賃貸住宅が同一地域で同種の物件は常に利便性や賃料の横並びとなり、大きなリスクにさらされ続けて行く可能性が高いからです。
これからの賃貸住宅に必要なのは、賃借人の視点での設備、間取り等で個別で比べられない質の高い物件かつ利用しやすく個性的な物件が借り手の目を引くようになり、他とは違った物件を求められていくものと思います。具体的には、「テレビ・オーディオ付の浴室」スマートフォン対応のセキュリティー、照明器具、エアコン付で管理が適正に行われている賃貸物件が利用者から支持されていくものと思料しております。