苦情対処法
1.<苦情対処方法>
ケース①(事例・ガラスにヒビが入ったとの連絡があった。)
区分所有マンションを区分所有者(A)が第三者(B)へ賃貸し、賃借人が使用中(居住中)です。今回ベランダ側のガラス戸(防火用でピアノ線が入っている)にヒビが入っているのを今朝判明した。とのことBさんはそのヒビが入った原因に関し全く判らないとのことでした。
…ガラス店より修理見積を取得したところ金14,000円とのことでした。
その旨を賃借人占有者Bさんに報告したところ、Bさんは14,000円なら自己の費用負担をも って修理したいと言ってきた。一方Bさんは「借家人賠償保険」の加入者です。賃借人Bさん は保険請求手続きの「煩雑」「煩わしい」からとの話が出てました。
【管理会社内部で検討】
…この様な場合の管理会社のとるべき判断、助言としては民法上606条の定めがあり、賃借 人の「故意や過失」がなければBさんに責任がなく、建物所有者であるAさんが修繕をすべき義務となります。
責任のない立場の賃借人(占有者)Bさんが修繕すれば民法の定めに基づき、BはAに対し、ガラス修繕費につき直ちにその費用返還を求めることができるとするものです。
また、今回は金額が14,000円少額と保険手続が煩わしい等の理由ですが、一方金額が10万だったら等と経済的な額のみを基準にして判断すべきではないと考えるべきではないだろうか。従って、修繕にかかる費用が安いとか高いとかにかかわらず、民法の定めに照らして解決しなければなりませんと決しました。
しかし、個別で具体的なケースの場合は、賃借人(家族も含む)の自らの原因に起因するようなケースがあってもかかる費用負担が出るとなかなか認めないことが多いです。その点は、苦慮します。さらに、「賃貸人」と「賃借人」との中に入っている者としては調整している立場ですが、双方からの責任の帰属先が決まらず、かと言ってガラスの破損で二次的な損害の発生が当然に予見される場合、管理会社においてまずは修繕手配をし、その代金を立替払い又は賃借人(占有者)の同意を得るなどして、借家人賠償保険の申請で双方に金銭的な負担を求めない方法をとっている。
この様に、理論的には区分することができていつも実際のケースでは、原因探しや責任の帰属先を探すことは神様の世界でなければ判断することは、専門家でもない素人同然の管理会社にはおのずと限界があります。
従って、グレーなケースなどは双方の意見を伺っての双方が納得又は折り合いできる点で解決を図る「スポンジ」の役割的立場が普通となってきた。