賃貸市場の動向
1.<賃貸市場の動向>
マンションの毎月の賃料額が8万円を超える場合、賃貸から分譲マンションや中古マンションへ住み替えられるリスクが出て来ます。もちろん転勤族の場合はこの様なケースは少ないが、仙台在住あるいは仙台圏内に住んでいる方は前述のことが考えられるでしょう。
一方仙台市内では、仙台市又は宮城県の復興住宅建設が進んで来ていることもその要因の一つと考えらます。しかし、日本全体としては2006年からは人口減少社会に入っている。その中でも、仙台市に限っては人口が4~5万人へと増加(108万人位)していると考えられる。
個別のマンションの賃料額を定めるときには地元の不動産会社で情報を得る等がポイントとなる。
例えばあすと長町エリアに昨年12月に新市立病院、IKEA仙台店(家具)がオープンした。新市立病院は平日約4,000人位、休日などは1,000人前後、IKEA仙台店は逆に平日が800~1,000人休日には4,000人位の人が動いている様だ。従って、長町一丁目辺りのファミリーの賃貸料は10万円を超えても稼働している。当然ですが、「大型の集客施設」や「大量運送の公共交通機関」の恩恵を受けている地域は別枠として捉えている。
2.<空室等対策特別措置法>
昨年11月19日国会にて空室等対策の推進に関する特別措置法が成立しました。
この法律は3か月を超えない期間で施行される予定です。立法化の背景には空家の増加による防災、衛生、景観、地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしている等です。空家は全国で約757万戸(平成20年)その後860万戸(平成26年)と増加の一途を辿って来ている。「特定空室等に対する措置」として、市町村は所有者らに対し除却、修繕、立木竹等の伐採等の指導、助言や強制的に執行することが可能となります。早ければ夏頃までに本法律が施行されるでしょう。
3.<個人住宅の賃貸流通の促進のための指針について>
1)国土交通省は「個人の住宅」の賃貸流通を促進するための指針を発表した。個人住宅所有者はこれまでに賃貸の貸主になることは未経験者の方でもあります。一方2.<空室等対策~>のケースの様に「空家」のまま月日が経過してしまった結果市町村からの指導が入ったりしてしまう恐れがあります。広い視野でこの空家を考える場合、若しくは日本の経済を考えるとき、この何千万円もする資本が活用されないことは国家としてもリスクでもあると考えられます。ところで、この指針の具体的賃貸借契約のタイプを大きく分けて二つあります。
一つ目は、今までの様な賃貸借契約のパターン「Aタイプ一般型の自ら貸す形式とBタイプ事業者借上型(サブリース)」がありました。
二つ目は、新しい賃貸借契約としてC‐1タイプとC‐2タイプの二つのパターンがある。
★C‐1タイプは賃貸人(所有者)は入居前の修繕は原則なく、現状の状態で賃貸する。但し、設備に故障なく通常生活が可能であること。その後、入居中の修繕、設備の更新等は賃借人側で行う。賃借人が取付した設備(エアコン)等の買取は認めない。
結果、賃料の水準は相場より若干安く定める。
★C‐2タイプは建物の躯体等を除き、賃貸人(所有者)は設備や故障、建付不具合など修繕個所がある状態で賃貸する。賃借人において修繕、設備費用の負担とする形。
結果、賃料の水準は相場より相当安く定める。
以上の二つの方針が示されました。
但し、現行法の民法並びに借地借家法の一部改正などの立法措置がないと実際の賃貸市場での利用は、「特約条項」の運用とならざるを得ないため限られた「古民家住宅」などのケースで、一般の賃貸市場への波及は難しいと思料している。(参考までに民法§第606条の規定により賃貸物の修繕は賃貸人の義務とする定めがあるからだ。)