役所と戦う市長
1.<共感と信頼の行政をめざして>
横浜市長「林文子」さんは今年再選された。
同市長は次から次へと市長として斬新でかつ果敢に市の行政を実践している。
新しい仕事に対し、市職員の幹部は、まず始めに「出来ない」「出来ない」と考えて回答してくるという。
林文子市長自身は、それを踏まえて「どうしたら出来るか」とまず考えるのだそうだ。
多くの場合、「出来ないという人」は思考力が停止しているからだと言われている。同じケースでも、常に思考力のある人はどの様にすれば「出来る」のかと考えるのだそうだ。
この両極端の違いがその人が全ての面で左右することとなるのだそうです。
例えば、横浜市長が託児所の待機児童をゼロにしようと指示したら担当部署の職員は「市長の選挙向けのパフォーマンスだ!!これまで他の市町村全国で誰も出来なかった。」という。
林市長は違う考え方を示し、出来なかった『原因を分析』し、その『問題点』を洗い出す作業を指示した。
市職員の漠然とする考え方は、原因分析能力が停止している状態を表しているものだと言って、これまでに出来なかった原因を分析するように指示し、これらを改善した結果、待機児童ゼロとなった。
その後は、多くの市町村関係者が横浜市に足を運んでいる。
このことは、林文子さん(青山高校卒)のこれまでの経歴や数々の実績、経験から見ると、ごく自然な発想だったのかも知れないと思う。
市長よりも市職員の幹部の多くは、大学で4年間学業を修得している。しかし、横浜市の託児所一つを例題としてみるならば、日本の○○大学で学んだ学問や知識は「誰の」「何のため」に活かすべきなのかも同時に問われているものかも知れない。
2.最も重要視しなければならないのは、託児所の待機児童ゼロの目的は、働きながら子育てしている人、あるいは子供を持っても就労が続けられることで有能な人材の雇用維持、確保をし、もって少子化現象に歯止めをかけることにある。
我国の人口減少要因の一つでもあって解決しなければならない問題で国策でもある。
他国の例で、フランスに於いて、少子化という人口減少には、危機感を持って直ちに対応している。託児所の設置やかかる費用は、子育て中の親に対しその都度人口状況に応じて、1人目2万~3万円、2人目4万~6万円の給付がある。個人の費用負担は事実上かからない仕組みを行っている。
また、フランスは保育所、託児所(0才~2才の3年間)と分かれていて保育所は無料です。
このような仕組みがあることで、人口(2012年6570万人,国土面積は日本の1.5倍有り)は常に一定を保ってきている。
日本とフランスではこの様に政策面で「個人」の問題とするか、「国策」とするかの考え方で大きく違っている。
日本も遅ればせながら、人口約1億3000万人に対し、60才以上の占める人口が4000万人と言われていて、高齢者社会に入ってきている。あらゆる面で国力に大きな影響が出て来ている。その様な意味に於いても、横浜市の施策は全国で見習ってほしいと思う。
3.<森永ミルクキャラメル発売100年>
森永乳業株式会社から森永キャラメルが発売されてから今年で100年を迎えた。
同じ商品が100年も続いていたことには驚いた。
森永ミルクキャラメルは1913年発売で「大正・昭和・平成」の三つの時代を経て、多くの方のご愛顧をいただいているとのこと。
私は、小学生の春の遠足の時に、三ツ矢サイダー、バナナ、夏ミカン等と一緒にリュックサックに入っていたことを記憶している。
森永乳業株式会社は、1923年(大正12年)9月1日、午前11時58分に発生した関東大震災の時に、社員総出で、被災者らに対し、ミルクキャラメルを6万個、練乳缶詰を1万6000個を無償で配った。
最近は、多くの企業が売上げが上がらない等とこぼすが、森永はこれまでの「地道さ」と、関東大震災時の「社会貢献」が東京で多くの支持を得て来たのであろう。
この様な企業活動、社員の日常の努力の結果、『100周年』という金字塔が建ったのかも知れません。
一方、東日本大震災から約2年6ヶ月を経て、地元仙台で、今年は楽天チームが日本一となりましたが、当社も横浜林市長の「思考力」、森永乳業株式会社の「地道さ、社会貢献」を始めとして多く学ばせていただいた一年でもありました。
最後に、みな様におかれましてそれぞれの目標や希望へと明るく羽ばたく一年をお迎えされることをご祈念申し上げます。
今年一年間、大変お世話になりました。