日本も訴訟大国になるのか?
最近の司法に於ける判決は、日常生活や私生活で身近なトラブルによる紛争が多い。その事件3つのケースを今回取り挙げてみました。
1.平成24年3月15日東京地方裁判所判決言渡し
「上階の子供の騒音に慰謝料60万円支払えとの判決」
マンションの入居者同士で階下の人が真上の居住者に対し、子供が跳びはねたり、走り回ったりする音が「我慢の限度を超えている」として騒音差し止め等の訴えを提起し、約6年経て認められた。階下の夫婦が求めたのは①慰謝料60万円と②騒音調査費用64万円で、請求通りに認められた。
2.平成25年1月10日付河北新聞記事。
「ベランダでの喫煙5万円賠償支払えとの判決」
マンションの住民女性74才が階下の男性61才に対し、男性がベランダで喫煙を続けたことで体調が悪くなったと男性を訴えた。これに対し名古屋地方裁判所は、女性の精神的損害の訴えを認め、男性に対し5万円の慰謝料(精神的損害)を認め、支払いを命じた。同判決は、昨年12月13日確定した。
3.平成25年7月4日神戸地方裁判所判決言渡し
小学5年(事件当時)の母親(法定代理人(親権者))に対し被害者へ金9,520万円の支払いを命じた。
小学5年男子児童は自転車に乗って神戸市の坂道を時速20㎞~30㎞で下った際、散歩中の女性67才と衝突。女性はそのはずみで転倒し、頭の骨を折るなどして、寝たきりの状態となった。被害者はその児童の母親40才に対し、1億500万円の損害賠償を求めた。判決ではその賠償金の内、直接被害者本人へ3,520万円。及び被害者自身が加入していた保険会社の傷害保険?について、保険会社が加害者に代わって支払った。(損害賠償の代位)
従って、保険会社が加害者本人に代わって支払った6,000万円を(※2求償権に基づき)加害者に請求した※1代位弁済金も認められた。
この様な司法の判断は、私達の生活に於いて、例えば引越したら近隣者へ挨拶等のコミュニケーションやちょっと注意をすれば防げたものと考えられるが、今や常に「加害者」あるいは「被害者」になり得るとする訴訟社会へ問題を提起したものと言えます。
(解説)