賃貸物件が不足する事態に
1.『居住用貸家住宅が不足』
仙台市内の居住用賃貸住宅(マンション・アパート・貸家)の不足が顕著となっている。不足の背景には震災による ①みなし仮設住宅として居住中 ②既存の住宅の取壊しが続いている事で他の住宅へ住み替えている ③近隣の市町村あるいは福島県(相馬)等からの移住 ④復興支援者 ⑤工事業者らが住んでいる 従って賃貸物件の絶対数が不足している様だ。
平常時の賃貸市場の動向は ①「転勤」 ②「就学」 ③「結婚」 ④「住み替え」等が一般的であったが、震災後は沿岸部からの流入等震災に関係する人も加わっての賃貸市場を形成しているのが特異だ。
この様な状況は概ね5年、10年は続くと見ている。その根拠は、 今から18年前に発生した阪神淡路大震災の時、仮設住宅の賃貸期間が2年でしたが、結局は5・6年もかかった経緯があったその証左であろう。 今回の東日本大震災の損害規模はその比ではない位甚大(地震と津波)でもある。 私は、当分この様な状態で推移するものと見ている。
2.『家賃改訂の兆しが・・』
仙台市内の賃貸市場は貸手市場となっていたが、今度は賃料の見直しが出てきた。 仙台中心部ではあるが1ヶ月当り3,000円(1K)~10,000円(2LDK)の幅での賃料上昇が見受けられる。但し築浅(10年未満)に限られる様だ!!
業者に「値上げしたの?」と尋ねると「いやいや、以前の賃料に戻しているだけで値上げではないよ」との答えが返って来た。 「バブル崩壊後デフレが続き、建築当初計画した賃貸収入確保がままならない事で値下げを余儀なくされて来ていたので」と言う。
しかし、今は元の賃料に戻して返済資金の確保に繋げて行きたいとしている。 この様な傾向が市内中心部から地下鉄南北線・仙石線の各駅を中心に波状状態に及ぶ事となるだろう。
3.『仙台市内のマンションの動向』
仙台市内の藤崎百貨店、道路向かい側の分譲マンションが先月中旬に即完売したとの事。
価格帯は4,800万円(2LDK)~6,000万円(4LDK)までの範囲。 購入者の7割は首都圏在住の方で、関東大震災時の避難場所の確保と出張等で仙台に来た時にホテル代わりに利用する方だそうです。 残りの3割は在仙の方との事。
しかし、地元の方の購入価格は4,800万円位までとの事。