最近の賃貸事情について
Ⅰ.「震災後の賃貸借の動向」
1.住宅を購入しないで「賃貸の方が良い」と考える人が震災地では多くなった。特に顕著なのは、3.11の震災で建物所有者が最もその被害を被ったことや、二重ローン問題も今なお解決されない事情も加わって慎重な人が増加した。その結果、震災後12%も加算され、従来の9%から21%へ増加した。
住宅を今買い時では無いと考えている人の数は29%で、判断がわからないと考えている人51%を加えると実に80%の人が動けないようです。(全国・日経リサーチ調べ)
背景には、所得格差などの他、建築資材(コンクリート、エンビ管など)の割高や人件費の高止まりで建築費の増加もその要因です。
仙台市内の新築賃貸住宅は、この様に供給が少ないためもあってか、建築の着工と同時に予約で満室の状態の様です。
震災前は建物が完成する頃にようやく満室となって、ほっと胸を撫で下ろして来たわけですから、雲泥の差が生じている。この様に賃貸市場は拡大している。
もろ手を上げて良い訳でもありません。そもそも賃貸市場は所得が小額(転勤・結婚・入学を除く)な人が中心です、賃借人の所得額が増加してはおりませんので、専門家の意見を参考にする他、当該地域の賃貸市場の分析と把握がポイントです。
さらに、賃貸住宅は、30年・40年と息の長い事業だけに、建築するその地域の市場調査、間取り・設備等安全、安心面の確保や、さらには台所・浴室・トイレにちょっと高級感を出すなどに十分留意することが大切と考えられる。
この様に、他の賃貸住宅と比較されない「特徴」を持たせた「賃借人の一戸建に近い良質な賃貸住宅」がポイントとなるでしょう。
一方、仙台の中心部の分譲マンション(価格3,400万円~5,000万円)も完売しています。明らかに所得の格差がこの様な市場を形成しています。
Ⅱ.国土交通省は、賃貸住宅について標準契約の文言につき訂正・加除を示した。
民間の賃貸住宅の賃貸借をめぐる紛争を防止し、より良い契約関係を結ぶ目的をもっての改正となっている。
訂正のポイント
(1)反社会的勢力排除のための諸規定
(2)明け渡し時の原状回復内容の明確化
(3)契約期間中の修繕の取扱い
(4)建物が滅失した場合の契約終了確認(今回の震災で追加)
当社は、昨年賃貸住宅管理業者・国土交通大臣(1)第698号の有資格者として規制を遵守しなければなりません。しかし、弊社は法改正前からこれらの文言を契約書に謳ってきておりますが、さらにその詳細に関しても反映して行きたいと思っております。