賃貸住宅最新事情
【賃貸客付業者の店は閑古鳥が鳴いている】【大家さんとの明暗】
1.今回の震災による賃貸住宅の稼働率は、ファミリータイプが99%と高いが、ワンルームタイプは厳しい。
一方ワンルームタイプでも賃料を相当低く設定した物件は、県外からの工事業者用の宿泊施設として利用されている。
いずれも客付業者の紹介によって成約しているのではなく、地元(物元)業者の物件へ直接アタックしての成約が多い。また、この春は全体として動きであるが少なかったため、入居者が居てもその対応が出来なかった。従って客付業者は苦戦している。逆に大家さんの賃貸料収入は安定している。
【スーパーゼネコンが自前の住まい建築の検討に入った】
2.地元の工事業者は他県の労働者・技術者用として、民間のアパートやビジネスホテルを借りてきていた。(ビジネスホテルのケースでは、1ヶ月20人で×5,000円(1日)×30日=300万円の負担となっている工事業者もいる)
また「スーパーゼネコン等」は、これまでの各々の宿舎の負担増が事業収益を圧迫している関係上、今年夏頃から自前の宿泊施設等を建築する意向の様です。従ってこれからワンルームマンション等で工事業者用に賃貸して来た物件が空くことが予想される。無論ビジネスホテルの空室も出ることとなります。
工事業者と言っても建設業全体に波及しているのではなく、ガレキ撤去業者の一人勝ちで他の工事業者は様子見の状況です。
今後の動きに注目です。
【震災復興と不動産】
3.これまでの震災復興で不動産会社や建設会社はその恩恵を受けているのだろうか?
1年3ヶ月を経て、確かにガレキ処理やビル改修業の建設、住宅メーカーは忙しい様だ。しかし、収益を見てみると全国との通算決算上はそうでも無い様だ(積水ハウス前年比、-4%)。恩恵を受けているのは、地元企業の一部と見ておいた方が良いのではないかと思う。今年7月から現実の予算執行となるため、大手企業は来期から大幅な収益を産むものと考えられる。
【被災した住宅の価値】
4.大震災で被災した住宅で「半壊」以上と判定された物件の売買について、「七十七銀行」や「山形銀行」は、住宅ローンの融資に慎重だ。
その物件について震災後の改修工事がなかなか進んでいないこともその要因の一つである。
改修工事や耐震工事が終わった場合等の取扱については、民間の銀行は難しいのではないだろうか。むしろ国の制度資金の利用の方が早いと考えているが、これまた今後の動向に最大の注意を払っておく必要がある。
【杜リゾートの人事異動について】
5.1)当社に平成5年から不動産の総務、賃貸管理等全般を精力的に業務を推進してくれた「三浦とし江さん」は今月20日を以て退社することとなりました。紙上をお借りしてこれまで会社設立後間も無く、暗中模索の状態の中、これまで数多くの業務をこなしていただきましたことに対し、厚くお礼と感謝申し上げます。彼女は南三陸町出身であり、今回の被災が甚大でした。被災地で更なるご活躍をご祈念申し上げます。
2)また、先月から山形で賃貸業務5年間の経験をもつ有能な「齋藤憲一君」(宅地建物取引主任者)。そして、初めて会社勤めを経験し、我社の要として「経理」「総合職」を担っていただく「佐々木真実さん」(宅建・行政書士合格者)。優秀な両社員を新たにお迎えし、仲間として業務が出来ることを誇りに思っております。つきましては、オーナー様・地権者様・友人・知人の心温まるご指導、ご鞭撻を前任者同様、賜わりたくお願い申し上げます。(全体の社員数は4名となります。)