震災から半年〜不動産市場と問われる企業姿勢〜
◆【3月11日東日本大震災6ヶ月後の不動産市場と問われる企業の姿勢】
1、中古住宅が完売している。価格帯が1,000万円~1,250万円位で、建物内部のリフォームが施されていなくとも、已むを得ないとする、購入者らです。即ち、震災前であれば買主側から台所・トイレ・風呂場は勿論のこと畳・襖等…と注文が出される他、駐車場は2台取れますか?とする買い手市場でした。
2、しかし、震災後はこの様な希望を持っていたとしても、早く住まいを確保しなければならない事情によるものと思います。多くの人は今までのようにA物件・B物件と選択でき得るだけの物件数が無い、売主の意向に添っての動きとなっています。
3、されとて、当社の物件は、地震前の不動産の査定価格に基づいて所有者から依頼を受けての仲介業務を行っております。当然ながら震災という特別な事情に乗じて価格をつり上げることは可能です。しかし、そのようなことをすれば、数年後に被災された購入者は足許を見られて買わされたと感じることとなりましょう。
4、しかるに今は、企業や所有者の真価が問われています。後々になって「感謝」される事の方がお金に代えられない人の「こころ」の財産となるものと確信しています。それぞれの先人達もその様に心掛けて生活をして来ていたものと信じたいです。
◆【有事に学ぶお金と生活設計】
1、先日(9月3日)に日経セミナーin仙台主催による、災害をきっかけに考える「お金」等を題するセミナー(講師:深田晶恵氏)に参加しました。
2、深田氏は、16年前の阪神淡路大震災の時から特に「イザという時のお金の準備」について沢山の講演をして来ているとのことでした。今回も大震災となってしまった。
まず始めに自分の家計診断として、以下の「はい」又は「いいえ」に○印をつけて下さい。
1「イザというときの貯蓄(特に利用目的の無いお金)」、200万円以上ありますか?(はい・いいえ)
2預貯金は「どこに」「いくら」預けてあるか、言えますか?(はい・いいえ)
3家族でいくつ保険に入っているか、言えますか?(はい・いいえ)
4加入している保険の「保険会社名」を言えますか?(はい・いいえ)
5自宅に置いてある現金は20万円以下である。(はい・いいえ)
6毎年少なくとも50~60万円以上は貯蓄できている。(はい・いいえ)
3、クイズの答えは「はい」の多い方はイザという時でも心配は無いが「いいえ」が多い方は生活設計を立て直すことが必要とのことでした。
[解説]
上記1、の200万円以上有りといっても「ネット銀行」は停電等の場合利用ができない為×で、「店舗型銀行」がOKとのこと。生活の立て直しにはこの位かかってしまいます。
**2~4省略**
上記5、自宅には家族構成によっても異なるが大金は置かない方が安心です。(このお金は普通使用するもの以外のもの)大金は盗まれることも考えて下さい。更に各々のお財布に、社会人であれば2~3万円位あれば、宿泊代と交通費分で1.2日位は生活が可能でしょう。
上記6、毎年少なくとも50~60万円以上の貯蓄が大切です。特に現役世代の30歳代を中心にして必要ですね。しかし、年金生活者はある程度資産を持っているし、若い世代よりも社会経験が多い分しっかりとリスク管理をなさっている人が多い様ですから、原則不要です。
とのことでした。
私は、「はい」が3つしか該当しなかったですが皆さんはいかがでしたか?
◆【震災後、個々個人の経済事情がその生活まで分けてきた】
1、震災によって、事業所が何らかの影響を受けて解雇の対象となったり、又は、失業保険が期限切れとなるなど予想もしない賃料支払い遅延者も現れてきている。
2、当社としては、本人並びに連帯保証人へ催促などを行っているケースがあり、それぞれ対応しています。
3、これまで1回も延滞の無かった人もこれらの事情で同様のケースとなってきた。
4、管理会社としても積極的に賃料支払いの為の助言をしております。
5、場合によっては賃借人に対し、生活保護の制度を利用することも大切である旨話していますが、この場合家族構成によっては、45,000円(仙台市)となる場合もあり、苦慮しています。
6、又宮城県は民間仮設住宅の賃貸契約に基づく賃料支払いも、未だ賃貸人であるオーナーの口座に入金が無い状態です。当社は宮城県宅地建物取引協会本部を介して早急の支払いを催促しています。
ご迷惑をお掛けしておりますが、最大の努力をしておりますこと、ご理解をお願い申し上げます。