百貨店の動きから学ぶべきこと
実は、百貨店の稼ぎ頭は「衣料品(アパレル)」であったが、この部門が他の店舗に奪われてしまっている。
(09年3月~09年10月まで)
?「三越」の売上は、388億円と▲10%
?「藤崎」の売上は、443億円と▲ 7%
?「さくら野」の売上は、公表されていないが▲20%(推定)
?「パルコ」の売上は、140億円の見込みが60億円
?「三井アウトレット」の売上は、180億円の見込みが130億円
?「三菱(仙台泉)アウトレット」の売上は、104億円の見込みが127億円と言われている。
新規参入の企業の担当者は、口を揃えて仙台の市場は結果的にパイの奪い合いとなってしまい厳しいと思っているだろう。
ちなみに、インターネット上(全国)での売上は、2兆4000億円と年々伸ばしてきている。
仙台中心部に店舗を構えている「三越」「藤崎」「さくら野」は、厳しい状況に置かれている。
これまでの百貨店(全国)の年間売上高は14兆円であった。ところが、その後10兆円となり、昨年(09年)は6兆円と半減して、なお止まない。
若い人の多くは百貨店に足を運ばない。仙台駅前の「パルコ」や、仙台港の「三井アウトレット」あるいは泉パークタウンの一角「仙台泉プレミアムアウトレット」等に行っている。さらには、インターネットで購入している。最近の若い人は、「自己の主張・表現」のある品物を買っている。
これらの現象は、やはり「個」の時代へと移ってきたと見るべきでありましょう。
この様な若い人を中心とした変化は、近い将来「賃貸住宅」の選択にも波及して来ると思料される。
賃貸住宅の変遷は、昭和34年代までは木造住宅でちゃぶ台を囲んでの食事、共同浴場・共同流し台・共同トイレだったのが、日本住宅公団の出現で、2DKの鉄筋コンクリート造りの住宅、イスとテーブルでの食事、個々の風呂やトイレ付き、流し台もコンクリート製からステンレスと大きく変わった。賃料は、月収の半分相当でも列をなして抽選のうえ入居した。
あれから50年経って、今日の賃貸住宅の市場は、少子高齢化という日本人口の構造の変化、住宅のストック数が750万戸と荒波の市場で競争を強いられている。
この様な日本に於ける社会構造の変化に対応するためには、これまでの「財産」として、?人、?物、?金と信じてきていた。しかし、私はこれに「?情報」を加えて「人・物・金・情報」が財産と見るべきではないかと思っている。
理由は、全世界のグローバル化によって、沢山の「情報」が全世界の人々と同時に共有されることとなった。パソコンや携帯電話などの端末機械を所持して待機している人は10憶万人とも言われていて、情報を得ようと思えば、いつでもどこでも取得できる時代となったためだ。
賃貸住宅にも、Bフレッツなどのインターネット環境を整えたり、エコ住宅、防犯などに配慮して、良質な住宅の提供が最重要でしょう。賃貸住宅のオーナー様と、不動産会社とのスピードをもった情報の共有がとても重要な時代となってきています。「百貨店」の今から学ぶことも、大切ですね!