京都高等裁判所で、更新料支払いの特約無効の判決が出されました。
居住用の賃貸住宅における、「契約の特約」又は「慣習」としての更新料支払いと、「消費者契約法」に関して、これまでの裁判所の判断が大きく変わって来ていることについて考えてみたいと思います。
《概要》
建物の所有者(賃貸人)は、自己の所有するアパートの1室を居住用として賃借人へ賃貸をし、普通賃貸借契約期間を1年として契約を結び、1年毎に更新が行われ、その都度更新料10万円を5年間に渡り、合計50万円の支払いを受け取ってきた。賃貸借契約の特約や、宅建業者の重要事項説明書にもその旨の記載があった。賃借人は、本アパートから退去し、建物を明け渡した。
これと同時に、賃借人は元の賃貸人に対し、これまでに支払った更新料の返還を求めて提訴した。第一審の京都地方裁判所では、平成20年1月31日に、更新料を支払う旨の特約は有効とする判断が示されていた。なお、同じころ同様に、大津地方裁判所でも有効とする判決言渡しが行われていた。
しかし、京都高等裁判所では、本年7月23日に、先の第一審の京都地裁の判断とは逆に更新料支払いの特約無効の判決が出されました。
未だ最終的に最高裁の判断や京都高裁の判決が確定した訳ではありませんが……。
仙台圏では、更新料支払いの慣習が無いため、この様な事案はないものと思料しております。
借地借家法の法理論から言っても、普通賃貸借契約は、法定更新を原則とするものである。そもそもアパートは他人へ賃貸をし、収益を目的とするものであり、毎月約束した賃料を支払ってきている人に対し、賃貸人が自ら居住しなければならない更新拒絶の正当事由は無いものと見るべきものであり、今後ともこの様な司法の流れは加速するものでしょう。
加えて、消費者契約法第10条(※)を検討するまでもない。
(※消費者契約法第10条・・消費者の利益を一方的に害する条項の無効)
普通賃貸借契約は、法定更新を原則とすることから、家賃を支払わない人にも居座られてしまい、訴訟費用、現実の明渡しまでさらに時間を要する。その間、賃貸人は未収金として会計処理をし、税金を支払っている。この様な人は、今後とも増加する傾向にあると見るべきでありましょう。賃貸人は、厳しい立場に立たされて行くものと考えます。
そこで、当社が行ってきている「定期借家契約」で、不良な賃借人を排除し、良質な賃借人をもって建物全体を構成することで、そこに住んでいる方々の安全や安心を提供出来るものです。
もって、本来のソフト面からアパートなどの賃貸事業が適正に行うことが出来るものと言えます。
オーナー様におかれましても、十分注意を払っておく必要性が高まって行くことでしょう。
次回は、賃貸住宅等リフォーム(水回り)がシステムキッチン12万9,900円からの産業について特集を致します。