2019年6月から施行
2017年9月22日「電子チケット:スマホ貸し出し不正転売」の男に対し、神戸地裁は懲役2年6月・執行猶予4年とする判決が下された。(コンサートは「サカナクション」です)
これまでにも他のチケット販売業者(ダフ屋と言われる)で、1ヶ月2,000万円の収入を不当に得ていたケースが横行していたため音楽業界に大きな不利益を及ぼす他、一般の人が業者の買い占め行為等で参加の機会が奪われて、高額なチケット購入するという社会問題となっていた。
① 特定興行入場券を不正に転売すること。
② 特定興行入場券の不正転売を目的として、特定興行入場券を譲り受ける
こと。
が(第3条・第4条で)禁止されている。
違反した場合は、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金(または併科)とされる。(9条1項)
「興行」とは、映画、演劇、演芸、音楽、舞踊その他の芸術及び芸能又はスポーツを不特定又は多数の者に見せ、又は聴かせること(日本国内において行われるものに限る。)をいう。(2条1項)
例.…有名タレントや作家のサイン会や握手会などは、その参加チケット
が高額で転売される可能性があったとしても「興行」には含まれない
と考えられている。
(佐々木 奏(2019) 会社法務A2Z 6月号)
●「興行入場券」とは、それを提示することにより興行を行う場所に入場する
ことができる証票(これと同等の機能を有する番号、記号その他の符号を含
む。)である。(2条2項)
●「特定興行入場券」とは、興行入場券であって、不特定又は多数の者に販売
され、かつ、一定の表示等があるものをいう。(2条3項各号)
ただし、無償で交付されるものは対象にならない。
●「特定興行入場券の不正転売」とは、興行主の事前の同意を得ない特定興行
入場券の業として行う有償譲渡であって、興行主等の当該特定興行入場券の
販売価格を超える価格をその販売価格とするものをいう。(2条4項)
従って、販売価格以下での販売自体は規制されない。
<法的な責任>
●刑法上は、同法246条(詐欺罪)、人を欺いて財物を交付させたり、
財産上の不法の利益を得たりする行為(246の2 電子計算機使用詐欺罪も)
●古物営業法による規制
●条例による規制
●民法上は、同法第709条(不法行為)等の損害賠償責任を問われる
可能性もあります。