平成30年 1月 1日
免許番号宮城県知事 (7) 第3818号
不 動 産 ア ナ リ ス ト 修 了
株 式 会 社 杜 リ ゾ ー ト
(不動産コンサルティング部)
1.物件所在地:┐
土地面積:┘ 別紙記載の通り
2.全体査定価格 金○○○,○○○,○○○円
※個別は無道路地(地番100)の価格○○,○○○,○○○円・・・B
それ以外の価格:A - B = ○○○,○○○,○○○円
3.価格根拠
<まえがき>
土地評価の方法については、①市町村の固定資産評価基準、②路線価から
算出の税務課税の視点からの評価手法があります。
一方、不動産取引上の不動産市場に於ける経済的な視点での流動性等、
数多くの不動産取引上の経験から導かれるその土地の位置、近隣、形状、用
途地域、時の金融市況、都市計画法上の小規模で柔軟な区画整理活用に基づ
く街づくりをも、時系列的考察、対象地の個別要因などを総合的に考えての
価格評価とならざるを得ないと思料されます。
従って、無道路地評価額の算出価格は、相続税財産通達に基づく場合と、
実不動産取引上(直近の取引価格の変動や実際の取引金額の把握によって)
の実務経験上の公正な不動産市場での流動性から算出される評価額とでは、
個別のケースで大きく相違することが当然であります。
机上の計算と不動産取引上から計算される評価額との大きな違いは、所有
者は常に結果(リスク)責任の帰属先となっている点です。
A.全体価格
(路線価)(調整率) (地積) 価 格
X円 × 1.25 × xxxx.xx㎡ = ○○○,○○○,○○○円 ・・・A
※実際取引予想価格
A × 1.25% = ○○○,○○○,○○○円 ≒ ○○○,○○○,○○○円
希少価値考慮すれば
○億○,○○○万円-
B.無道路地単独価格(別紙 図1参照)
(路線価) (調整率) (地積) (無道路) 価 格
X円 × 1.25 × xxx.x㎡ ×(1-0.50)= ○○,○○○,○○○円-
≒○○,○○○,○○○円-
(1)<評価算定に当っての考え方>
〔無道路地〕
無道路地とは、一般的には公道に全く接していない土地を言う。
従って、その土地を単独で利用することは不可能だが、公道まで第三者の
土地所有者の権利関係の調整等を行うことで利用が可能になるものを指す。
この無道路地と混同しやすいのが「袋地」であるが、袋地は公道に通じる
敷地延長によって接道している。ただし、敷地延長で公道に接している場合
であっても、都市計画区域内に存在する土地では建築物を建てる際、敷地が
道路(公道又は公道に準ずる道路4m以上)に間口が2メートル以上接して
いなければならない。「建築基準法43条1項」この要件を充たないことと
なる。この要件に合致しない土地は建築不可となる。
この場合の袋地は「無道路に準ずる袋地」として「無道路地等」として取
り扱うのが、実務上である。
<例>
(2)〔囲繞地(いにょうち)通行権の確保〕
無道路地は、民法(第211条第1項)を原則的に認められている。囲繞
地通行権に関して無道路地の価格に大きな影響が及ぶ。
都市計画区域内では、建築基準法第43条第1項に基づき、4m以上の道
路に接道幅員2m以上の要件が必要とされている。この基準に適合しないと
土地利用が不可能となる。
(検討)Bにつき、間口6mのうち2mを無道路地の通路となると、残り
4mでの土地(承役地相当)の活用が大きく制限されるため、現実
的ではない。
(3)〔通行地役権設定確保、登記など〕
囲繞地通行権は、囲繞地にとって最も損害の少ないところを選ばなければ
ならないが、必要のあるときは公道に通じる通路を開設することもできる。
(民法第211条第1項)
そのためには、地役権(民法第280条第1項)や地上権(民法第265
条第1項)の設定登記手続きや分筆作業等の権利関係(調停や訴訟)も必要
となり、その実現のためには時間のロス、煩雑、複雑な手続き等の権利関係
の調整、土地蘇生を経て初めて不動産が流動することに留意を要する。
(検討)Bにつき、通路には上・下水道、排水溝の工事費を検討すれば、土
地代よりも工事費の方が大きくなってしまうおそれも考えられる。
(4)〔通路開設後の損害金(償金)の支払い〕
通行権者は、土地の分割によって袋地、無道路地となった場合を除き、
原則として通行地の損害に対して1年毎に償金を支払わなければならない。
(民法第212条)
但し、囲繞地通行権を確保したとしても、建築基準法第43条第1項の要
件を満たして建築出来るとは限らない。
1.通路部分を分筆して、売買などにより所有権を取得する。
2.通行地役権※、地上権、賃借権の設定
3.道路位置指定
等が必要です。
【結論】(検討)現実的ではありません。
※通行地役権を設定した場合は、最寄りの建築課等で建物建築の目的を確認することが重要です。
●本書は、不動産鑑定士法に基づくものではなく、不動産取引上の査定です。
●上記査定価格は、外部から敷地と道路との接道状況を目視した範囲内かつ、机上により査定し
たものであるため、物件の現況によっては、査定価格が10%の範囲内で増減となる場合がご
ざいますので予めご了承ください。
添付書類
1.住宅地図(位置図) 1 通
2.公図(仙台法務局備付) 1 通
3.土地全部事項(省略) 1 通
4.都市計画図(用途地域) 1 通
5.都市計画図(指定道路図) 1 通
6.路線価 1 通
以 上
別紙 図1